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ブログ
11.22022
病気について(基本的な考え方)
みなさんは、自分のおうちの爬虫類が病気になった時にどうされますか?
私は獣医師であり、エキゾチックアニマルクリニックの診療を行っていたため、ある程度の治療は自分で行うことが可能です。
また、ブリーダーさんやペットショップの方たちは自身の経験やネットワークにより、とても上手に治療を行っておられる場合が多いです(私が教えてもらいたいぐらいです)。さらに爬虫類の飼育経験が豊富であり、ほぼ病気にならない飼育方法を確立されている方も多いと思います。
しかし、
・初めて爬虫類を飼い始めてなかなかうまく飼育が出来ない
・ほとんどの子は元気だけれど、どうしても一人だけ病気になる
・不慮の事故
など、どうしても病気・ケガのリスクはゼロにすることは難しいと思います。
そんな時にどうするか?
大きく分けて、
1.動物病院で治療をする
2.飼い主がで治療をする
3.病気に絶対させない(話が矛盾してますが…)
に分かれると思います。
この中で一番ベストの方法は3.病気に絶対させないです。
病気絶対にさせない・リスクをゼロにすることはできないのですが、限りなくゼロに近づけることが最も重要です。
なぜなら、1.と2.の治療に関しては、時すでに遅しとなっていることが多いからです。
そもそも、爬虫類の治療は犬猫に比べ極めて制限が多いです。
・身体検査をするにも一般状態(特に呼吸状態)が悪く、触ることすらできない(触ったら確実に死ぬ状態)
・体か小さすぎて、採血量が足らない・採血で死ぬかもしれない・そもそも血管が針より細い・ウロコや体表のゴツゴツでレントゲン、エコーが見えない。
・薬の使用による副作用が予測できない・毎日あげないと効かない薬(抗生剤はほとんどがそう)をあげれない・薬を口に入れるだけで死んでしまいそうな状態
など、こんなことは正直しょっちゅうです。
病院に行こうが、自身で治そうが、治ればどっちでも良いです。けど、病気になってからでは治せないことが極めて多いです(検査もできず原因すら分からないことも)。
なので、病気にならない飼育をするということが一番の治療です。
実際に私がエキゾチック診療を行っていた際に一番多く行っていたのは、飼育指導です。
いくら治療をしたり薬をあげても、家での飼育方法に決定的な間違い(温度が違う・環境が違う・ゴハンが違う)があれば治りません(詳しくは病気にならない飼い方)。
動物病院に爬虫類を連れてくる方々の大半は、飼い始めたばかり方です。ブリーダーさんやペットショップの方も来ることはありますが、初心者の方々の来院頻度に比べるとすごく少ないです(それだけ飼い方が上手ということです)。
病気にしない飼育を行うということを、特に飼い始めたばかりの方々は一番心がけてもらいたいと思っています。
(優先すべきは命で、ハンドリングやお散歩などはそれがある程度出来たうえでの次のステップだと思います。)
では、病気にしない飼育をするためにはどうするか?
1.自分で調べる・実際に飼ってみて経験する
2.誰かに聞く
この1.と2.どちらも並行して行っていく必要があります。
なぜなら、
・この方法で完璧
・この方法なら間違いはない
・すべての爬虫類に当てはまる飼い方
なんてものはありません(詳しくは病気にならない飼い方)。
情報は常に更新され、新しいゴハンやケージ、機械、理論など目まぐるしく変わっていきます。
特にブリーダーさんやペットショップの方々の情報は、一般の飼主さんよりも最新の可能性が高く積極的に聞いてみるのが良いでしょう。また、あまりメジャーじゃない爬虫類などは一般の飼主さんの方が知識や発見が多いこともあります。自分で気づいたことを他の人と話し合ってみて正解を見つけていくという過程が正しい飼い方に近づく方法ではないかと思います。
最近はフェイスブック、ツイッター、インスタグラムなどのSNSでの情報交換も簡単に出来るようになりました。これらは翻訳機能により海外の人とも英語(韓国語でもタイ語でもインドネシア語でもイタリア語でも)がわからなくても情報交換ができます。日本では飼育が難しいと思われている種類でも意外と海外では簡単と言われてることもあり、とても参考になることが多いです。
あとは少し難しいかもしれませんが、論文を検索するのも良いと思います。
(詳しくは 超簡単、論文の読み方)
論文の内容は正確で最新情報の可能性が高いです(論文も間違ったことを書いている場合もありますが…)。
基本英語ですがGoogle翻訳で何とかなります。最近はGoogleが自動で日本語に書き直してくれます。
(私も海外の人とやり取りをする場合や論文を読むときはほとんどGoogle翻訳です)
店長 兼 獣医師 中嶋 光