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掃除(洗浄・消毒)について

爬虫類 掃除

みなさんはケージの掃除はどうしていますか?
飼育している種類や大きさによって、糞・尿で汚れる度合いは違うと思いますが、
ケージ内は定期的な掃除が必要です。不衛生な状態は病気に繋がります病気について|基本的な考え方)。

爬虫類ケージ


まれに「マットを入れているから」、「野生では掃除なんてしないから」とおっしゃるかたもいらっしゃいますが、
いくら消臭力が強いと書いてあるマットを使っても糞や尿がなくなるわけではないので、掃除をしなければ不衛生となります。
野生環境は広大な土地内で、なおかつ土壌内の分解者が豊富な状態で循環が行われているため、一般的な飼育ケージ内では再現は不可能です。
なので定期的な掃除、つまりケージ内の洗浄を行う必要があります。

通常は糞や尿酸を取った後、基本は水洗い。汚れが激しい場合は洗剤をつかう必要もあると思います。
洗剤の使用に抵抗がある方もいらっしゃるかもしれませんが、しっかり水で流していれば問題はありません。

爬虫類 洗剤

私はケージ内のレイアウトは掃除がしやすいようにすることをオススメしております。
マットやヤシガラを床材として敷き詰めたり、棒や観葉植物を入れて野生に近い環境にするのは良いのですが、どうしてもケージ内の物が多くなると掃除がしづらくなります。
ただ、これは好みの問題もあるので、定期的にマットの交換が出来る方や掃除に時間がかけれる方、
掃除やレイアウトの変更自体を楽しみにされている方は特に問題はないと思います。

しかし、多くの飼主様は限りある生活時間の一部を使ってお世話をするわけなので、
極端に時間を使いすぎるあまり「掃除頻度が減る」ことや「掃除をしない」という状態では本末転倒です


なので、食餌皿や水入れ、最低限の隠れ家を入れてなるべく掃除しやすい・観察しやすいケージにすることをオススメしております。

これは、当店のブリードスペースのケージです。
なるべく底面には物を置かないようにしています(糞・尿酸等が取りやすい状態にする)。
また、排水溝を取り付けており下の水受けに流した水が流れるようになっているので、生体がケージの中に居る状態で水を流すことが可能です。
シャワーで汚れをジャーッと流してしまいます。現地のスコールを再現しつつ、掃除も行っています。

一般のご家庭で使われているケージであれば、こまめに糞・尿を取り除く。
定期的に生体を別のケージに移して飼育ケージ内を水できれいに洗浄すればよいと思います。

ケージ以外の掃除も水洗いが基本です。これも、汚れがヒドイ場合は洗剤も使用します。
ただ、部屋の床など水洗いが出来ない場合は消毒剤が有用です。また、感染性のある病気の子に使った器具やケージの掃除にも消毒剤が有用です。
当然、生体がいる状態でケージ内に消毒剤を使うことは危険です。生体がいない状態で消毒剤を使用し、しっかりと水で流せば問題はありません。


一般のご家庭での消毒剤は塩素系漂白剤(いわゆるハイター)の使用をオススメしております。塩素系漂白剤はほとんどの病原体に効果があるからです。
しかし、クリプトスポリジウム等の一部の原虫には効果がありません(熱湯・煮沸消毒が必要)。また、塩素系漂白剤は金属に対して腐食作用があるため使えません。
必要に応じてアルコール洗剤熱湯消毒を行うとよいと思います。

引用:新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について(厚生労働省・経済産業省・消費者庁特設ページ)|参考:新型コロナウイルス対策ポスター「新型コロナウイルス対策 身のまわりを清潔にしましょう。


これは厚生労働省の新型コロナ対策のページですが、基本的には考え方は同じです。

また、爬虫類のお世話をした後は必ず手を洗いましょう
これは動物由来感染症(ズーノーシス)の観点からでもありますが、病気を他の子に広げないという観点からも重要です。


これも新型コロナウィルスと考え方は同じで汚染された手で色々な所を触り感染が広がる場合があります。
感染初期は症状が見られない場合があるので、日頃からお世話をした後、スキンシップを取った後は手洗いをすることが重要です。

店長 兼 獣医師 中嶋 光

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