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5.72023
爬虫類、何を飼ったら良いか分からないあなたへ

爬虫類を飼ってみたいあなた、こんな風に思っていませんか?
- 爬虫類を飼いたいけど、何を飼ったら良いか分からない
- レオパ・フトアゴ・コーンスネーク が飼い易いらしいけど、どれがいいのか分からない
- 爬虫類好きの友人「好きなのを飼ったらいいよ!」の 好きな爬虫類ていうのが分からない
- 飼う爬虫類が決まらないので、何を準備して良いか分からない
と思っている方に向けた内容です。
今回の記事を読むと、
- 自分に合った爬虫類の選び方がわかる
- 好きな爬虫類がわかる
- 飼う爬虫類が決まれば、必要な物を自分で調べることができる
ようになるはずです!
あなたは、なぜ爬虫類を飼いたいのですか?
色々理由はあると思いますが、よくある理由は
犬猫は飼えないけど、爬虫類なら
- 鳴かない
- 省スペース
- エサを毎日あげなくて良い
から飼えるかも!
という理由です。

これに関しては特に否定はしません。
色々な理由で、犬猫の飼育ができない方の第2選択として良いと思います。
ただ、この場合は爬虫類が飼いたいというよりは
犬猫の代わりとして、爬虫類ということなので
犬猫のような接し方が可能な爬虫類を求めてると思います。
その場合、選択肢は限られてきます。
いわゆる、初心者向けと呼ばれる
- ヒョウモントカゲモドキ(レオパ)
- フトアゴヒゲトカゲ(フトアゴ)
- コーンスネーク(コーン)
あたりとなります。
この、レオパ・フトアゴ・コーンは爬虫類を飼おうと思って
調べ始めた方は良く出てくる名前だと思います。
もしかしたら、クレステッドゲッコー(クレス)・ニシアフリカトカゲモドキ(ニシアフ)・ボールパイソン(ボール)という名前も出てきたかもしれません。
これらの種類は、他の種類の爬虫類と何が違うかというと
触られることに、そこまで拒否反応を示さないことです。
爬虫類を触るということ
結論から言うと、爬虫類は人に触られるのが好きではありません。

長い間、一緒に生活することにより爬虫類が人間をパートナーと認識することはあります。
しかし、それは稀な例でほとんどの爬虫類は
「なんか、ゴハンをくれる大きな生き物」くらいにしか思っていません。
もしかしたら、「ゴハンは気づいたら近くに置いてある」、「殺されはしないけど、なんかヤバイい生き物が近くにいる」と思っているかもしれません。
多くの爬虫類は、触ると全力で逃げるか、全力で攻撃してきます。
また、触った後には、しばらくゴハンを食べません。
そして、隠れてしまいます。
ただ、例外がいて
- 触ってもあんまり逃げない(逃げれない)
- 触った直後でもゴハンを食べる、触っている最中にもゴハンを食べる
- 触った後も普段と変わらない
という種類がいます。
正確には、そういう子が多い種類です。
それが、よく言われる
- ヒョウモントカゲモドキ(レオパ)
- フトアゴヒゲトカゲ(フトアゴ)
- コーンスネーク(コーン)
なのです(他にも色々いますが…)。
ヒョウモントカゲモドキ(レオパードゲッコー)

「飼い易い爬虫類」という言葉はレオパードゲッコー(以下、レオパ)の為にあると思います。
万人受けする顔の可愛さだけでなく
- 触っても大人しくしている子が多く、攻撃的な個体は極めて少ない
- 人工飼料にも餌付き易い
- 手からやピンセットからゴハンを食べる、慣れれば手の上でもゴハンを食べる
- あまり動き回る種類ではない為大きなケージが必要ない
- ヤモリの仲間にも関わらず壁に貼り付けない、さらに逃げ足が遅いため脱走の心配もない
この、触っても大人しくしている子が多く、攻撃的な個体は極めて少ない
というのが重要で、犬猫のようなスキンシップを取りたい方には必須の条件となります。
なので、爬虫類を触ってスキンシップを取るのに憧れている方には、うってつけの種類だと思います。
キングオブ「飼い易い爬虫類」です。
ただし、レオパ本人は触られることを、あまり喜んではいないのを覚えておいてください。
ちなみに、トカゲモドキはヤモリの仲間です。ヤモリの中でも趾下薄板(壁にくっつく指のヒダヒダ)がないこと、まぶたがあること(他の種類のヤモリには無い)が特徴です。
ヤモリの仲間ですが、私は硬いウロコのないトカゲという認識が良いのではないかと思っています。
フトアゴヒゲトカゲ

フトアゴヒゲトカゲ(以下、フトアゴ)もレオパと同じくらい聞く名前だと思います。
私は正直、何故この種類が飼育しやすい代表種となっているのか、あまり理解できません。
生体では体長40~50cmくらいになり、運動量も多いので、そこそこ広いケージが必要なこと、
バスキングライト、紫外線ライトが必要で準備する器具が多いこと、
人工飼料を食べればいいけれども、食べない場合は雑食なので虫、野菜などをバランスよくあげる必要があること
など、爬虫類初心者にはややハードルが高いように思えます。
しかし、
- 触っても大人しくしている子が多く、攻撃的な個体は極めて少ない
- 慣れれば、触った後でもゴハンをよく食べる
- 人工飼料に餌付き易い
- 動きがコミカルでカワイイ、表情が豊か
- そこそこ大きくなり、体もゴツゴツしているので爬虫類を飼ってる感がある
等など魅力的な特徴があり、
特に、触っても大人しくしている子が多く、攻撃的な個体は極めて少ない
という、触ってスキンシップを取るための必須項目が備わっています。
犬猫みたいなスキンシップも取りたいし、トカゲ飼ってる感も味わいたい、本格的に器具を揃えて爬虫類を飼うことを決めている方には、うってつけだと思います。ただ本来、フトアゴも触られるのは好きではないです。また、レオパよりも激しく動くことを覚えといてください。
コーンスネーク

すみません。大人しくしません。
コーンスネーク(以下、コーン)は触っている最中、逃げ回ります。
ただ、捕まえられない速度で逃げることはありません。
ヘビは他のトカゲ、ヤモリよりも触られるのを嫌がります。
また、エサも冷凍マウス・ラットが必要になり、冷凍庫内でネズミの死体を保管することが必要になります。そのため、レオパ・フトアゴと比べて初心者向けではないかもしれません。
しかし、コーンも攻撃的な個体は極めて少ないという必須項目を備えており、触ってのスキンシップを取ることが可能です。また食欲が旺盛で、ヘビの中でも触った後に極度にゴハンの食べが悪くなる個体は少ないように思います。
ここまでの話だと、あまり初心者向けではないように思われるかもしれませんが、
初めて本気で爬虫類を飼うことを決めている方で、レオパ・フトアゴ・コーンの中から選ぶなら私はコーンスネークをお勧めします。
というか、これから爬虫類を色々勉強するのであれば、ヘビを飼育するのが最適だと思っているからです。
ヘビを飼育するメリット

私はヘビの飼育によって、爬虫類全般の基本方針が身につくのではないかと思っています。
先ほど、爬虫類は基本的には触られるのが嫌いと話しました。
しかし、一部の種類(レオパ・フトアゴ等)は比較的触られても、あまり拒否反応を示しません。
一方、ヘビは露骨に嫌がります。おそらくほとんどの方はヘビを触った時に
「これ、多分嫌がってるな」というのを感じると思います。自分の手からヘビが逃げる様子、触ろうとしたときの首のひっこめ方、どこかへ身を隠そうとする姿等、ヘビに触ったことない方でも感じ取ることができると思います。特にケージの中では見られなかった、体の強張りが皮膚を通して感じると思います。
これにより、爬虫類の飼育において、基本は触らないという飼育法が言葉よりも感覚で身につくと思っています。基本は触らないというのは、掃除や引っ越し、定期的な健康状態の確認、動物病院に連れていくなどの最低必要な触れあい以外は触らないということです。
爬虫類と触れ合ってのスキンシップを取ることを否定しているわけではありません。ストレスなく触れるようになれば、お互いにとってこれほど良いことはありません。
しかし、爬虫類を基本触らない飼育方法ができると、飼育できる爬虫類の幅が広がります。
触っても大人しくしている子が多く、攻撃的な個体は極めて少ないという種類以外にも、飼育できる選択肢が増えるのです。
つまり、好きな爬虫類を飼えるのです。
「好きなのを飼ったらいいよ!」の意味

形・色・仕草・生態など何でもいいです。
人の「好き」は他人にとやかく言われることではないので、何でもいいです。
私はトッケイヤモリが好きです。色も形も声も、怒る姿も好きです。
「レオパの方が可愛いよ」「ジャイアントゲッコーの方がいいよ」「モニターの方がカッコイイよ」
と言われても、それは他人の「好き」なので私の「好き」ではありません。
あなたも爬虫類を飼いたいと思った時、イベントや爬虫類ショップ、インターネットの画像で
「これ、カッコいいな!」「これカワイイな!」と思ったことがあるはずです。
けれど、爬虫類飼ってる知り合いに相談すると「これは初心者向けじゃないよ」「触れないからやめた方が良いよ」と言われたのではないでしょうか?
この「触れない」とは、触ると怒る・咬む・パニックで暴れ回ってケガをさせてしまう等を含みます。
確かに
- 飼育方法がほぼ不明で長期飼育できた例が少ない
- 神経質で物音や光に極めて敏感
- 人に致命傷を与える恐れがある
- エサの調達が困難(カタツムリ、ヤモリを食べる等)
等は安易に飼育すべきではないと思います。
しかし、「触れない」は飼えない・飼いづらい理由にならないと思っています。
なんなら、触れるけど飼育困難な爬虫類はいくらでもいます。
つまり、「触れる=飼い易い」ではない!のです。
だって、爬虫類は触らなくても飼えるわけですから。何なら、爬虫類は自ら触られるのを望んでるわけではないのです。また、エサの調達が困難な種類であっても、調達できる人にとっては何の障害にもならないわけです。
安易に飼育困難種を飼うことを勧めるわけではないですが、ブリーダーさんの所で飼育の実績があって、飼育環境を整えることができれば飼育は可能なのです。
グリーンパイソン(触れないヘビの代表格)飼いたい人にレオパを勧めても「コレじゃない」と感じるだけだと思います。飼いたいなら、設備を整えて飼えばいいと思います。逆にレオパが好きな人に、「ヘビを飼うと選択肢の幅が広がるからヘビを飼いましょう」というのも違うと思うので、好きな爬虫類を飼ったらいいと思います。
これが、爬虫類好きの人が言う「好きなのを飼ったらいいよ!」ということなのです。

飼いたい爬虫類が決まったら
この設備があれば、すべての爬虫類が飼えるなんてものはありません。なので、爬虫類を飼うなら、飼いたい爬虫類を決めることが重要です。好きな爬虫類、飼いたい爬虫類が決まれば後は飼い方を調べて、準備をするだけです。飼育実績のある爬虫類なら、その道のプロがいるので聞いてみてはいかがでしょうか?
ここまで読んでくれたあなたは、もう飼いたい爬虫類にあれこれ悩むことは無くなったのではないでしょうか?もしかしたら、好きな爬虫類がありすぎて、どれにしようか困っているかもしれませんねw
まとめ
- 爬虫類と触れ合ってスキンシップを取りたい人は、「触っても大人しくしている子が多く、攻撃的な個体は極めて少ない」種類を選ぶと良い
- 「好き」は色、声、形、仕草、生態、何でもいい!
- ちゃんと調べて、準備が出来るなら「好き」を優先して良い
- 飼いたい爬虫類が決まれば、あとは調べて環境を整えるだけ
すべてのことに準備万端で、上手くいくことはありません。爬虫類の飼育はトライ&エラーの繰り返しです。ただ、温度・食餌だけはしっかり管理しないと、必ず病気になるので徹底した管理をお願いいたします。
店長 兼 獣医師 中嶋 光