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12.92022
爬虫類の動物由来感染症(ズーノーシス)について
![爬虫類の動物由来感染症](https://sp-ao.shortpixel.ai/client/to_webp,q_glossy,ret_img,w_512,h_640/https://nakajimado.com/wp-content/uploads/2022/12/corona-gf65e0e8f0_1920.webp)
みなさんは動物由来感染症(ズーノーシス)って聞いたことありますか?
人獣共通感染症と言ったりもしますが最近は動物由来感染症と呼ぶことが多いみたいです。
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「爬虫類達のためなら自分はどうなってもいい」と思ってらっしゃる方もいるかもしれませんが、飼主様が倒れてしまうと爬虫類達のお世話もできなくなってしまいます。今回は、そんな動物由来感染症(ズーノーシス)に関してお話します。
動物由来感染症とは? この言葉を目にするのは初めての方もいらっしゃると思いますが、漢字からその意味を想像いただけるものと思います。おわかりのとおり「動物由来感染症」とは、動物から人間へうつる感染症をあらわす言葉です。 「人獣共通感染症」といった言葉もありますが、厚生労働省は人の健康問題という観点に立って、この「動物由来感染症」という言葉を使っています。 人への感染症については医学が対応し、動物の感染症については獣医学が対応していますが、動物から人へ伝播する動物由来感染症については、医学と獣医学が協力して対応することが大変重要です。
引用:厚生労働省|動物由来感染症を知っていますか
つまり、動物から伝染する病気です。動物由来感染症はたくさんの種類がありますが、
特に爬虫類ではサルモネラ症に関して注意が必要です。
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日本でどのくらい報告があるかというと、
問2 ハ虫類を原因とするサルモネラ症は、どのくらい発生していますか? 答 日本においては、ハ虫類が原因と判明したサルモネラ症の事例がほぼ毎年発生しています。カメ類を感染源とするものがほとんどであり、いずれも子ども又は高齢者が感染しています。また、海外においては、カメ、イグアナ、ヘビを原因として、多数の感染事例が報告されており、胃腸炎症状に限らず、菌血症、敗血症、髄膜炎、これらに伴う死亡事例があります。
と毎年発生している状態です。
また、少し古いデータですが発生の内訳はこのようになっています。
我が国におけるハ虫類を感染源とするサルモネラ症の事例
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一時期、ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)が危ないと言われたのはこのためですね。
しかし、アカミミガメが危ないのではなく、すべての爬虫類でサルモネラ症にかかるリスクはあります。日本でもアカミミガメだけではなくイグアナからの感染も報告されており、
海外では、
1994~95年にサルモネラの稀な血清型による感染例が13州の衛生局からCDCに報告されたが,患者は直接あるいは間接的に爬虫類(トカゲ,ヘビ,カメ等)に接触していた。事例の多くで同一の血清型が患者と接触した爬虫類から分類された。敗血症や髄膜炎が数事例でみられた。
引用:国立感染症研究所感染症情報センター|1994~95年にサルモネラの<外国情報>
とカメだけではなく他の爬虫類からの報告もあります。多くは免疫力の低い幼児や高齢者です。しかし、飼主様のご家族にもお子さんやご高齢の方がいることも多く、配慮が必要になると思います。
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実際に私も診療時に患者さんである爬虫類の体表や口腔内からサルモネラ菌を検出した経験があります。
それ以外にも、大腸菌、腸球菌、カンピロバクター、緑膿菌、など様々な菌が検出されます。
しかしながら私は爬虫類に触って具合が悪くなった経験はありません(咬まれて手が腫れたことはあります)。これらは人のトイレや台所、お風呂場にもいる菌なので、普通に生活していれば感染することはありません。多くの飼主様もそんな経験はないと思います。
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そもそも、サルモネラ菌も爬虫類に限ったものではなく、鶏肉や卵の表面にもついています。どっちかというと、爬虫類に触れるより生卵を食べることの方がサルモネラ症になるリスクは高いと思います。
ただ、共に生活をするので毎日接することとなります。そのため、爬虫類を飼育していない一般の方より感染リスクは高くなります。
そのため、なるべく感染リスクを減らすために、しっかり爬虫類を触った後は手洗いをすることが大事だと思います(掃除|洗浄・消毒について)。
店長 兼 獣医師 中嶋 光