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11.52022
食餌について
みなさんは爬虫類達のゴハン(食餌)はどんなものだと思いますか?
多くは、虫・マウス・ラット・野菜・人工フードだと思います。ヤモリしか食べない・卵しか食べない・カタツムリしか食べない・ミミズしか食べないなど特殊な爬虫類を飼っている方もいるかもしれません。
爬虫類の飼育において、食餌・温度は最優先、最重要事項となります。
日本で一般的に飼うことが出来る爬虫類は、虫・マウス・ラット・野菜・人工フード(大型では鶏肉やウサギなど)等で飼育可能だと思います。
おそらく普通に爬虫類を飼い始める際は、ペットショップや、ブリーダーさんからお迎えするはずです。その時に、食べているものや食餌に関しての注意事項を受けると思います。また、日本で書籍が販売されている種類(レオパやフトアゴ、ボールパイソンなど)に関しては、給餌の方法や注意点がしっかり書かれているとおもいます。
基本的にはそれらの注意事項を守っていれば問題はないと思います。
しかし慣れてくると、
- 「マウスいっぱい解凍しちゃったけど、あんまり食べなかったな。もったいないから再冷凍しよ。」
- 「コオロギ毎回買うの大変だな。自分で繫殖させよ。」→ 飼うのが意外と大変で、コオロギは飢餓状態、共食い、栄養状態・衛生状態が悪い
- 「カルシウム買ったけどビタミンD入りじゃなかった。とりあえず、使い切るまでコレあげよ」
など、気のゆるみが起きてきます。
毎日ゴハンをあげるのなら、どこかで「やっぱマズイな」と気づく機会があるかもしれません。しかし、多くの爬虫類は毎日ゴハンを食べるわけではなく、数日から数週間に1回となるので気づいた時には手遅れになっている(病気になっている)こともしばしばあります。
病気について(基本的な考え方)でもお話いたしましたが、爬虫類は病気になってからでは治療だけでなく検査すらできないことが多いです。なので、食餌・温度の管理をしっかり行って病気を防ぐことが大切です。(温度について)
また、ゴハンを食べない(拒食)を主訴に来院される方も多いです、
ここで問題となるのは、「正常の範囲の拒食であるのか?」「病気で拒食となっているのか?」ということです。
これははっきりとした判断は難しいです。ただ、温度管理の不備(気温の低下)によって拒食となっているケースも多く(よく、「気温が下がって拒食スイッチが入ったね」と言ったりする)、温度管理を適切にしていれば拒食の原因を絞り込めることも多いです。また、しっかり温度管理をしていても、機械の故障や停電などの事故で気温が下がってしまうこともあると思います。気温の低下と拒食のタイミングが合っていれば気温が関連している可能性が高くなります。
繰り返しになりますが、爬虫類は病気になってしまうと検査のリスク・難易度が高く、原因すら特定できないことが多いです。逆を言えば少しでも手がかりがつかめるだけで原因の追求・治療の可能性を高めることができます。
しかし、「一時的に温度が低くなったことによって拒食スイッチが入ったのか?」「温度が低いのが続いて病気になっているのか?」「ゴハンの質が悪いのか?」「ゴハンが気に入らないのか」「他の病気で食欲がないのか?」などと可能性が無数にある状態では特定が極めて困難です。
よく分からないけど勝手に良くなったのであれば、「それは良かったね」となりますが。拒食が続き、「これは正常範囲の拒食ではないぞ」と判断されたと時には手遅れのことが多いです(結果、亡くなってしまいます)。
今回は食餌についての話だったのですが、やっぱり温度管理の話になってしましました。
爬虫類の飼育において、温度・食事は最重要・最優先事項ということを心がけて頂けたらと思います。
店長 兼 獣医師 中嶋 光